TSChanger

TSChanger は、ISDB-T 方式の”放送TS”信号を、衛星またはその他のデジタル通信手段により効率よく伝送できるように圧縮する装置です。”放送TS”の復元時に、番組特定情報(PSI)や番組配列情報(SI)の書き換え機能を持っているため、同一の放送 TS を複数の地域に配信することが可能になります。network_id などを地域ごとの値に書き換えた、各地域用の放送プログラムを送信できます。またリファレンスクロックの伝送機能を持っており、リファレンス同期システム、従属同期システムの両方で使用することができます。

 特長                                                                          


●放送TS圧縮変換機能
 204Byte の放送TS信号を、SNGなどで伝送できる188Byte のTS信号に変換します。
 同時に Nullパケット を削除し、伝送帯域を節約できます。圧縮TSにはリードソロモンECCパリティを
 付加できます。
●クロック伝送機能
 従属同期システムおよびリファレンス同期システムに対応しています。クロック伝送機能を持って
 いるので、PET-100(TX)に入力されたリファレンスクロックを、PER-100(RX)で再生できます。
 MFNや固定遅延方式によるSFNの場合には、PER-100(RX)側のクロックおよび1ppsを省略することが
 できます。
●帯域幅6MHz~8MHzに対応
 帯域幅6MHzの放送TSのほか、帯域幅8MHzの放送TSにも対応しています。
●放送TSの遅延調整機能
 放送TSの遅延時間を調整できます。
●PSI/SI付替機能
 PER-100(RX)にあらかじめPSI/SIのパラメーターを記憶させることで、放送TSのPSI/SI情報を放送
 エリアごとに変換できます。
●緊急警報放送の起動
 PER-100(RX)で緊急警報放送(EWBS)を起動し、文字スーパー情報を挿入することができます。
 また設置場所が緊急警報のエリア外の時には、緊急警報信号をマスクし受信機の誤作動を防止しま
 す。
●平常時の非同期文字スーパーの挿入
 緊急警報を起動しないときには、ワンセグパケットのみに文字スーパー情報を挿入できます。この機能は、平常時
 にニュース、天気予報、広告などの配信に利用できます。また、緊急警報放送(EWBS)を起動しなくてもシステムの
 動作確認を行うことができます。

TSChangerを用いた放送送信ネットワーク

衛星通信回線、マイクロ波回線、ファイバー回線など、回線の種類に関わらず送信ネットワークを構築することができます。これらを組み合わせた送信ネットワークにも対応できます。もとの放送TSに比べてビットレートが抑えられているので、回線に必要な帯域幅を少なくすることができます。

同期システム

リファレンスクロックを伝送する機能をもっているため、演奏所で生成したリファレンスクロックを送信所で使うことができます。リファレンス同期と従属同期を混在したシステムも可能です。例えば放送地域Aはリファレンス同期でSFNを構築し、放送地域Bは従属同期で使用するという使い方もできます。注:ジッタの大きな回線では、リファレンスクロック伝送機能が正常に動作しない場合があります。

TSChangerを衛星回線で使う場合の例(従属同期)

TSChangerを衛星回線で使う場合の例(リファレンス同期)

TSChangerをファイバー回線で使う場合の例(従属同期)

TSChangerをファイバー回線で使う場合の例(リファレンス同期)


PSI/SI書き換え機能

PER-100(TSChanger-RX)1台ごとにPSI/SIを設定することができるため、放送地域ごとに異なったサービスを提供することができます。この機能をもちいることで、地域ごとに異なったデータ放送を起動したり、緊急放送の起動を選択したりすることができます。また、将来ローカル放送局を設置する予定がある場合には、あらかじめnetwork_idを割り当てておくことができます。

緊急放送起動制御

PER-100(TSChanger-RX)は、TMCC情報のB26や、文字スーパー情報を操作する機能を持っています。受信した放送TSのPMTを解析し、PER-100が設置された場所が緊急放送の対象エリアに含まれているか否かをエリア毎に判断し、TMCC情報の緊急警報放送起動フラグを操作したり、文字スーパー情報の挿入や書き換えができます。エリア外での受信機の誤動作を防止し、地域毎の情報を発信できます。

TSChangerの圧縮放送TS信号

圧縮放送TS信号は、ARIB STD-B31において規定されている放送TS信号に含まれるNull Packetを削除して、ビットレートを削減したTS信号です。TSChangerでは更にリファレンスクロック情報を多重し伝送することで、GPSレシーバなどからの同期信号無しで放送TS信号を再生できます。


圧縮TSのビットレート設定範囲

1.000000Mbps~49.999999Mbps

ただし、放送TSの持つ情報量以下には圧縮することはできません。

例えば、帯域幅6MHzの放送TSを、12セグ(64QAM,r=3/4,GI=1/8) + 1セグ(QPSK,r=2/3,GI=1/8)で運用する場合、

圧縮TSは、約19.23Mbpsになります。

帯域幅放送TS圧縮TS
6MHz ISDB-T約32.5Mbps約19.2Mbps
8MHz ISDB-T約43.3Mbps約25.3Mbps

TSChangerの圧縮TS出力は、固定レート(CBR)です。

最低遅延量

PET-100, PER-100の挿入により、2mS程度の遅延が発生します。圧縮率が高くなるほど最低遅延量は大きくなります。

(32.5Mbpsの放送TSを19.3Mbpsに圧縮した場合に、2mS弱になります)

ただし、各送信所での生じる固定遅延量は同一となるため、SFNの構築に影響することはありません。

放送TSの遅延量可変範囲

最低遅延量~65mS

総遅延量は、伝送路の遅延量が加算されます。

PER-100(TSChanger RX)の非圧縮放送TS入力PER-100(TSChanger-RX)は、非圧縮放送TS信号を入力することもできます。PER-100に非圧縮放送TS信号とリファレンスクロックを入力すると、PSI/SI書換、緊急放送起動制御フラグ操作装置として使用することができます。従って、非圧縮伝送ネットワークおよび弊社以外の圧縮/伸長装置を既に利用されているネットワークにも対応できます。